MOP127 加速器応用・産業利用 8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10 |
電子加速器を用いた薄膜のパルスラジオリシス |
Pulse radiolysis of films by using electron accelerators |
○近藤 孝文,神戸 正雄,大島 明博,菅 晃一,楊 金峰,吉田 陽一(阪大産研) |
○Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Akihiro Oshima, Koichi Kan, Jinfeng Yang, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka Univ.) |
放射線、特に電子線を用いた材料の改質や、グラフト重合による機能化、次世代レジスト薄膜における潜像形成は、薄膜や材料の表面・界面で起きる放射線化学反応を基にしている。従って、実際に使用しているレジスト薄膜や、フィルム材料における放射線化学反応を直接観測することができれば、非常に有用であるが、高エネルギー電子線と薄膜の相互作用は小さいので、非常に困難である。そこで、本研究では、薄膜を用いた場合の電子線パルスラジオリシスについての幾つかの試みを報告する。①フォトカソード高周波電子加速器を用いた高エネルギー電子線を照射する場合、電子ビームを強く収束しのビーム径を小さくすることで電子の面密度の増倍を図り、高時間分解能の過渡吸収ダイナミクスを測定可能にする。②大強度熱電子銃加速器を用いた高エネルギー電子線を用いた場合では、電荷量を大きくすることで、活性種濃度の増倍を図って過渡吸収を測定する。③低エネルギー(250keV)電子線照射装置を用いると材料中での飛程が短くなり、エネルギー付与が大きくすることができ、電子あたりの活性種の発生数を増倍することで定常光吸収による測定を可能にする。これら種々の薄膜のパルスラジオリシスを準備・検討しており、発表では実験結果を含めて報告する。 |